
新国立劇場にて、本日より《ムツェンスク郡のマクベス夫人》が上演されます。
ショスタコーヴィチの最大のオペラにして、20世紀オペラの不滅の金字塔でもあるこの作品、
日本での上演も珍しく、この壮大かつ壮絶なドラマを生で鑑賞できる貴重な機会です。
演出を手がけるのは、昨今の欧州オペラ界で注目を集めている、英国を代表する演出家、リチャード・ジョーンズ。
2004年に英国ロイヤル・オペラで初演されたというこの演出は、web上で部分的に見ることができますが、かなり面白そうです。
この作品でもっとも盛り上がるシーンのひとつ、第3幕第6場の「泥酔したボロ服の農民がジノーヴィの死体を発見」~「間奏曲」の部分は、一度観たら忘れられない名場面だと思います。その他、間奏曲の扱いがどれも秀逸です。
さてさて、この注目のオペラ上演に先立ちまして、鑑賞前の予習におススメしたいのがこちら(もう初日当日ですが…)。
ショスタコーヴィチ作曲
歌劇《ムツェンスク郡のマクベス夫人》
ネーデルラント・オペラ 2006
エカテリーナ:エファ=マリア・ウェストブロック
セルゲイ:クリストファー・ヴェントリス
ボリス:ウラジーミル・ヴァネーエフ
ジノーヴィ:リュドヴィート・ルドハ
アクシーニャ:キャロル・ウィルソン
ボロ服の農民:アレクサンドル・クラヴェツ
警察署長:ニキータ・ストロジェフ
司祭:アレクサンドル・ヴァシーリエフ
ソニェートカ:ラニ・ポウルソン
指揮:マリス・ヤンソンス
ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団
ネーデルラント・オペラ合唱団
演出:マルティン・クシェイ
こちら、《マクベス夫人》の日本語字幕付DVDとしては唯一のものです。
鬼才クシェイの演出が大変刺激的で、「オペラでここまでやるか…」という声もあったほど、
苛烈を極めた内容ですが、決して奇をてらっているわけでなく、作品に内在した性と暴力というテーマを
完膚なきまでに露にしようという意図に貫かれていることは、十二分に伝わってきます。
新国立のジョーンズはしばしば「鬼才」と称されますが、こちらのクシェイも負けず劣らず欧州オペラ界で物議を醸す鬼才といわれて久しい存在。
二人の鬼才の同曲異演出を見比べてみるのも一興です。
新国立劇場で観劇する前に、本DVDで予習するもよし。観劇のあと、余韻に浸るもよし。
好天に恵まれそうな今年のゴールデン・ウィーク、ラ・フォル・ジュルネでバッハももちろん素敵ですが、
《マクベス夫人》でオペラ三昧というのも、味わい深い休日の過ごし方ではないでしょうか!?