
2009年12月03日発売
オーパス・アルテ バイロイト音楽祭プロジェクト Vol.1
オーパス・アルテ初のCDリリース! 《リング》に新たな名盤が誕生
●第1弾はリング! バイロイトの《リング》ライヴ全曲CDは66&67年のベーム盤以来
栄えある<オーパス・アルテ バイロイト音楽祭プロジェクト>第1弾は、バイロイト音楽祭のメイン演目《ニーベルングの指環》をライヴ収録した全曲CD。DVD専門レーベルであったオーパス・アルテが初めてCDリリースに挑戦します。バイロイトの《リング》といえば、フルトヴェングラー、クナッパーツブッシュ、カイルベルト、ベーム、ブーレーズ、バレンボイムなど、綺羅星のごときスター指揮者たちが名演を繰り広げてきましたが、全曲盤のライヴ録音としては、なんと1966~67年のカール・ベーム盤(Philips)以来、実に約40年ぶりの正規盤リリースとなります(ブーレーズ盤、バレンボイム盤は通常公演のライヴではなく別録音)。決して途切れることのない、みなぎる力感と推進力は、まさにライヴならでは。巨大な音のうねりに身をまかせることで、めくるめく15時間のバイロイト体験を味わうことができるでしょう。
●「伝統」と「新生」の狭間に立ち現れるものは……バイロイトの看板指揮者ティーレマン
「ドイツの伝統を継承する第一人者」と称され、欧米で熱狂的な支持を集める指揮者クリスティアン・ティーレマン。ウィーン・フィルやベルリン・フィルに客演した際はチケットが即完売するほどの人気ぶりで、2010年春には音楽監督を務めるミュンヘン・フィルと来日公演が予定されており、日本でも注目が高まっています。
ティーレマンは2000年に《ニュルンベルグのマイスタージンガー》でバイロイト音楽祭デビュー。以来毎年出演を重ね、バイロイトになくてはならない存在となっています。《リング》は2006年から2009年の今年に至るまで4年連続指揮を担当し(2010年も予定)、その評価もすこぶる高いものでした。
伝統の殻を打ち破り、新時代に向けて生まれ変わろうとするバイロイトにあって、「伝統の継承者」と称されるティーレマンは、どのような化学反応を生み出すのでしょうか。転換期にあるバイロイトの力学の多様性が最も顕在化しているのがこのティーレマンの《リング》なのかもしれません。
[特別寄稿] 21世紀初頭のバイロイト音楽祭を飾る名演
岡本 稔
第2次大戦後、1951年にバイロイト音楽祭が再開され、ワーグナーの孫2人による体制でいわゆる「新バイロイト様式」による名舞台が生まれた。そこで《ニーベルングの指環》のタクトをとり、名演を実現したのがクナッパーツブッシュ、カイルベルト、ベームといった巨匠たちだった。ベームが1966年、67年に指揮したライヴはその当時の充実ぶりを如実に伝えている。その後、セッションの映像収録と並行して音声の収録がなされるようになったため、通常公演を収録した真の意味でのライヴは正規のルートではリリースされていなかった。2008年に長らく総監督を務めたヴォルフガングが退き、娘二人による双頭体制に変わり、バイロイト音楽祭にも新しい風が吹きこんできた。
その予兆となったのが、2007年のカタリーナ演出による《マイスタージンガー》のライヴのDVD化、そして2008年に収録されたティーレマン指揮による今回の《リング》のCD化をあげることができるだろう。そこからは劇場に入ることが許された限られた人たちばかりでなく、より多くの人たちに上演を体験してもらい、開かれた音楽祭にする意図がくみ取れる。
2006年にタンクレート・ドルストによって新演出された《リング》では、初年度からティーレマンが指揮を担当した。ドルストの演出については賛否が分かれたものの、音楽の面に関しては初年度から非常に高い評価を確立した。とりわけ卓越していたのがオーケストラ。往年のドイツ系巨匠の音楽が持つ重量感、響きの質感、そして、現代の上演にふさわしい卓越したアンサンブルはこの指揮者以外、現在実現しえないものだろう。初年度の常として歌手陣についてはやや不満の残る人もいたものの、ヴォータン役のドーメンに代表されるように年を追うごとに充実し、2008年の時点でほぼ完熟に近い出来に到達した。
録音を聴いて驚いたのがバイロイト祝祭劇場特有の音響が忠実に収められているところ。オーケストラが大音量で鳴り響くところでも、歌手の声がマスクされない特殊構造の劇場の音響特性が見事にとらえられている。新たな《リング》の名盤の誕生を大いに歓迎したい。
■収録曲&キャスト
リヒャルト・ワーグナー作曲 舞台祝祭劇 《ニーベルングの指環》
◆序夜 楽劇 《ラインの黄金》 | CD2枚組 [151:17]
ヴォータン: アルベルト・ドーメン | ドンナー: ラルフ・ルーカス
フロー: クレメンス・ビーバー | ローゲ: アルノルト・ベゾイエン
ファゾルト: クヮンチュル・ユン | ファフナー: ハンス=ペーター・ケーニヒ
アルベリヒ: アンドリュー・ショア | ミーメ: ゲルハルト・ジーゲル
フリッカ: ミシェル・ブリート | フライア: エディット・ハラー
エルダ: クリスタ・マイヤー | ヴォークリンデ: フィオヌアラ・マッカーシー
ヴェルグンデ: ウルリケ・ヘルツェル | フロスヒルデ: ジモーネ・シュレーダー
◆第一夜 楽劇 《ワルキューレ》 | CD4枚組 [225:33]
ジークムント: エントリク・ヴォトリヒ | フンディング: クヮンチュル・ユン
ヴォータン: アルベルト・ドーメン | ジークリンデ: エファ=マリア・ウェストブロック
ブリュンヒルデ: リンダ・ワトソン | フリッカ: ミシェル・ブリート
ゲルヒルデ: ゾーニャ・ミューレック | オルトリンデ: アンナ・ガブラー
ワルトラウテ: マルティーナ・ディーケ
シュヴェルトライテ: ジモーネ・シュレーダー
ヘルムヴィーゲ: エディット・ハラー
ジークルーネ: ウィルケ・テ・ブルメルストルーテ
グリムゲルデ: アンネッテ・キュッテンバウム
ロスヴァイセ: マヌエラ・ブレス
◆第二夜 楽劇 《ジークフリート》 | CD4枚組 [244:37]
ジークフリート: ステファン・グールド | ミーメ: ゲルハルト・ジーゲル
さすらい人: アルベルト・ドーメン | アルベリヒ: アンドリュー・ショア
ファフナー: ハンス=ペーター・ケーニヒ | エルダ: クリスタ・マイヤー
ブリュンヒルデ: リンダ・ワトソン | 森の鳥: ロビン・ジョハンセン
◆第三夜 楽劇 《神々の黄昏》 | CD4枚組 [275:26]
ジークフリート: ステファン・グールド | グンター: ラルフ・ルーカス
ハーゲン: ハンス=ペーター・ケーニヒ | アルベリヒ: アンドリュー・ショア
ブリュンヒルデ: リンダ・ワトソン | グートルーネ: エディット・ハッラー
ヴァルトラウテ: クリスタ・マイヤー | 第1のノルン: ジモーネ・シュレーダー
第2のノルン: マルティーナ・ディーケ | 第3のノルン: エディット・ハラー
ヴォークリンデ: フィオヌアラ・マッカーシー | ヴェルグンデ: ウルリケ・ヘルツェル
フロスヒルデ: ジモーネ・シュレーダー
指揮: クリスティアン・ティーレマン
バイロイト祝祭管弦楽団&合唱団
合唱指揮: エベルハルト・フリードリヒ
[録音] 2008年 バイロイト音楽祭(ドイツ)におけるライヴ収録
[総収録時間] 897分
■プロフィール
■ティーレマン:バイロイト音楽祭 演奏記録
・2000年 《ニュルンベルクのマイスタージンガー》
・2001年 《ニュルンベルクのマイスタージンガー》 《パルジファル》
再開50周年記念演奏会 ベートーヴェン:交響曲第9番「合唱付」
・2002年 《ニュルンベルクのマイスタージンガー》 《タンホイザー》
・2003~2005年 《タンホイザー》
・2006~2009年(2010年も上演予定) 《ニーベルングの指環》
SPEC
[収録時間] 14時間56分
[仕様] CD14枚組 / 英・独語解説 / 英・独・仏語リブレット
CD●OACD9000BD オープン価格